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【家庭教師の学歴事情】採用や仕事への影響は?学歴よりも大切なものを知っておこう

家庭教師のアルバイトや副業に学歴は必要?現役講師が学歴事情を徹底解説!

家庭教師として働きたい方の多くは、「どのくらいの学歴が必要なんだろう」ということを気にしています。学歴が高ければ高いほど採用がされやすく、保護者さまからの指名も入りやすいように思えてしまいますが、実際のところはどうなのでしょうか?

この記事では、「家庭教師と学歴」というテーマで、現役の家庭教師がその実情をお話ししていきます。家庭教師として働きたいと考えている方の参考になれば幸いです。

この記事をご覧いただきありがとうございます。家庭教師にとって学歴は絶対必要なものではなく、それ以外に大切なものがたくさんあります。この記事を通して、「家庭教師と学歴」というテーマを深めていきましょう。
このWebサイトを運営しているのは?

https://www.oshieru.work/manabuterasu-intro/

家庭教師に学歴は必要?現役講師が語る本音

まずは、「家庭教師と学歴」というテーマで、現役の講師が本音を赤裸々にお話ししていきます。

参考までに、この記事の筆者の最終学歴は「地方国立大学卒業」です。これを高いと見るか、低いと見るかは人それぞれですが、現場で働いている感覚でいうと、「学歴はほとんど関係ない」と感じています。これが学歴に関する本音です。

「まなぶてらす」の人気講師の学歴

はじめに、学歴と家庭教師の繋がりを分かりやすくするために、このWebサイトを運営しているオンライン家庭教師サービス「まなぶてらす」における、人気講師の学歴を紹介していきます。

まなぶてらすのトップページでは、

まなぶてらすのトップページ

こちらの画像で分かるように、小学生〜高校生、また、プログラミングやピアノ、発達障害サポートなど、学年や指導ジャンル別に人気講師をリスト形式で表示しています。

今回は、2021年5月24日時点でトップページに表示されている講師の学歴をチェックしてみました。

  • 東京大学
  • 京都大学
  • 東北大学
  • 東京外国語大学
  • 東京学芸大学
  • 千葉大学
  • 愛媛大学
  • 滋賀大学
  • 大阪市立大学
  • 早稲田大学
  • 慶應義塾大学
  • 中央大学
  • 日本大学
  • 奈良教育大学
  • 昭和音楽大学
  • 東京音楽大学
  • 武庫川女子大学
  • エラスムス大学

その詳細がこちらですが、東京大学や京都大学、東北大学などの旧帝国大学、早稲田大学や慶應大学などの私立トップ校といった、いわゆる「最難関大学」と呼ばれる学歴をお持ちの方がいる一方で、中央大学などの「MARCH」、日本大学などの「日東駒専」といった私立大学、さらには千葉大学や愛媛大学、滋賀大学などの地方国立大学、果ては音楽大学など、極めて多様な学歴を持つ方々が人気講師として活躍していることが分かります。

このような多様性が生じているのは、一般的な受験科目以外にも、ピアノやプログラミング、そろばんなどを指導科目としているまなぶてらすならではの要因があるかもしれませんが、それでも「学歴に関係なく家庭教師として活躍できる」ことが、それほど的外れではないことが伝わるでしょう。

学歴がある3つのメリット

一方で、やはり学歴によるメリットがあるのも事実なので、現役講師の筆者目線で、高い学歴があることのメリットを以下の3つのテーマに分けて解説していきます。

  1. 多くの需要を取り込める
  2. 登録できる家庭教師サービスが多い
  3. 待遇・時給が良くなりやすい

どれも学歴と関係の深いテーマなので、順番にチェックしていきましょう。

以上3つの学歴によるメリットは、東大、京大などのいわゆる旧帝国大学や難関私立大学、医学系学部などの限られた人材に該当するものです。このようなメリットがなくても家庭教師として働くことは可能なので、あまり学歴に神経質になる必要はありません。

1:多くの需要を取り込める

学歴が高いことによる一番のメリットは、多くの需要を取り込めることになります。「学歴が高い人に出来て、低い人に出来ないこと」はほとんどありませんが、「最難関校受験対策」のような、極めて高い学力、専門性が要求されるケースでは、学歴が高い人材の方が圧倒的に有利です。

つまり、学歴が高い人材は、生徒の学力や志望校に左右されずに、あらゆる生徒を対象として家庭教師として働けるということになります。多くの需要を取り込めれば取り込めるほど、安定して稼働できるので、大きなメリットだといえるでしょう。

特に大学受験においては、学歴の高さは講師の人気に直結します。難関大学に合格した経験や実績を活かして、同じく難関大学を目指す高校生の力になってあげましょう。

2:登録できる家庭教師サービスが多い

家庭教師として働くためには、個人契約をしない限りは、登録制の家庭教師サービスを利用することになります。

ここに登録して、生徒さまとのマッチングを斡旋してもらうのが基本的な家庭教師としての働き方ですが、サービスによっては「一定以上の学歴」を採用条件にしていることがあります。

学歴フィルターは「数少ないサービス」で存在する

これは、いわゆる「学歴フィルター」とも呼ばれるもので、「難関校受験・医学部受験」を謳ったサービスに見られる特徴です。先述のように、特に大学受験においては講師の学歴は人気に直結するので、登録する生徒さまや講師を難関校受験に絞った「難関校受験特化型」にするのは合理的です。

こうしたことを聞いてしまうと、「自分の学歴では家庭教師として働けないのか」と考えてしまうかもしれませんが、決してそんなことはありません。

たとえば、このWebサイトを運営している「まなぶてらす」は、採用条件に学歴は関係ありません。後述しますが、家庭教師として働く上では、高い学歴よりも大切なものが無数に存在するので、そういった部分を総合的に考慮した上で、採用を行っています。

そしてこの考え方は、多くの家庭教師サービスに共通して見られるものです。学歴フィルターは数少ない一部のサービスに留まるので、必要以上に気にするべきものではありません。

3:待遇・時給が良くなりやすい

家庭教師はやりがいのある仕事ですが、時給など待遇面で優れているのも魅力の1つです。そして、学歴が高いと待遇が良くなることがあるため、これもメリットの1つだといえます。

高学歴の人材の待遇が良くなる理由は、やはり「難関校受験対策ができる」ことが理由としてあります。家庭教師に限らず、どのような仕事も「出来る人が限られる」ものに多くの報酬が払われますが、先述のように、難関校受験対策は「学歴が高い人に出来て、低い人に出来ないこと」の数少ない一例。だからこそ、高学歴の人材の報酬は高くなりやすいのです。

だからといって、学歴がない人材の待遇は悪い、悪いまま、というわけではありません。家庭教師という仕事そのものが「誰でもできる仕事」ではないため、一般的なアルバイトよりも待遇が良いですし、学歴以外の指導スキルなどが高ければ、どんどん待遇も良くなっていきます。

結局のところ、待遇はその人の頑張り次第でどうにでもなる部分なので、この点に関してもあまり気にする必要はない、というのが現役講師目線での本音です。

学歴は「あった方が良い」のは事実だが「絶対必要なもの」ではない

まずは家庭教師において学歴があることのメリットを解説しましたが、「あった方が良い」のは事実です。

多くの需要が取り込めるため安定して稼働しやすく、さまざまな家庭教師登録サービスから求められ、待遇面も良くなりやすいので、あって困ることはないでしょう。

学歴の相場

では、どの程度の学歴があれば、「あって困ることはない」といえるのでしょうか?これは明確な基準がないため、参考程度に捉えて欲しいですが、

  • 東大、京大などの旧帝国大学
  • 早稲田、慶応などの最難関私立大学
  • 医学部などの医学系学部
  • 大学院

このような学歴の人材が、「高学歴の先生」として保護者さま、生徒さまに認識されやすいです。

したがって、以上の学歴を持っている、もしくは大学に在籍中の方は、自身の家庭教師としての強みとしてアピールしていくべき部分だといえます。

採用側は学歴の高さにこだわらない

一方で、採用側が「学歴の高さにこだわらない」ことも同時に知っておくべきです。なぜなら、講師としての質の高さと学歴の高さは比例するものではなく、むしろ反比例する可能性すらあることを、採用側が身をもって知っているから。

そして、高い学歴を持たない、つまり学生時代に勉強があまり得意でなかった人材は、「勉強が苦手な子供の気持ちを理解できる」などのメリットがあることも熟知しています。

このように、家庭教師は「学歴の高低」という1つの物差しで測れるほど、単純なものではないのです。家庭教師にとって「学歴より大切なもの」は無数にあるので、次の章で徹底的に解説していきます。

この章のまとめ
  • 実際の家庭教師サービスでは多様な学歴の講師が活躍している
  • 学歴が高いと難関校受験対策を担当できるので、さまざまな面で恵まれるのは事実。
  • 採用側は学歴の高低にはこだわらない。

家庭教師にとって「学歴より大切なもの」を知っておこう

ここからは、家庭教師にとって「学歴より大切なもの」について解説していきます。これは筆者の目線だけで語れるものではありませんが、

  • 勉強が苦手な子に分かりやすく教える力
  • 勉強が嫌いな子に楽しく教える力
  • 信頼してもらえる人間性

今回は、この3つのポイントをあげてみました。どれも家庭教師として活躍する上で極めて大切なポイントなので、順番に解説していきます。

勉強が苦手な子に分かりやすく教える力

家庭教師は「教える仕事」なので、「勉強が苦手な子に分かりやすく教える力」が最も大切です。

そして、「強みにできるような学歴を持たない」ような人材にとっては、この「分かりやすく教える力」でどれだけ高学歴の先生たちと戦っていけるかで、家庭教師として活躍できるのかが決まってきます。

なぜなら、同じような指導力を持つ講師の中から担当を選ぶなら、保護者さまや生徒さまが「より高い学歴を持つ先生」を選ぶのは当然のことだからです。

したがって、強みにできるような学歴を持たないならば、この「分かりやすく教える力」を徹底的に磨き続けていくことは絶対に欠かせません。

「勉強が苦手な子の気持ち」が理解できるのは強み

教育業界では、「勉強ができることと、教えられることは全く違う」とよく言われます。これは教えることの本質を示している良い言葉ですが、「勉強が苦手な子」の気持ちは、天才肌の方には理解できない部分が多いでしょう。

しかし、勉強が苦手ながらも、試行錯誤しながら努力してきた「努力型」の方にとっては、共感できる部分が非常に多くあるはずです。

そして、強みとしていける学歴を持たない方は、この「努力型」としての強みを押していけます。実際、「自分は勉強が得意ではなかった。この経験を活かして、同じような子の力になってあげたい」という気持ちが原動力となって、家庭教師などの教育業に従事したいと考えている方は多いでしょう。

子供にとって、「自分と同じ目線に立ってくれる大人」は、極めて貴重な存在です。このような先生になれるように努力していくことが、学歴を持たない人材はもちろん、全ての家庭教師にとって絶対的に必要なことだといえます。

勉強が嫌いな子に楽しく教える力

どんな子供も勉強は基本的に嫌いですが、中でも「親に家庭教師との勉強を強制されている子供」は、勉強に対して強烈な嫌悪感を抱いています。このような子供に「どれだけ楽しく教えられるか」は、学歴よりも大切なことです。

そしてこれは、講師の色が出やすい部分でもあり、講師の力量が問われる部分でもあります。

「知的好奇心」をどれだけ引き出せるかがカギ

では、どのようにすれば、勉強が嫌いで嫌いで仕方ない子供に、「勉強が楽しい」と思ってもらえるのでしょうか?キーワードになるのは「知的好奇心」です。

そもそも人間には、「知らないものを知る」ことを「エキサイティングなこと」と感じられる本能が備わっています。これは、人間がまだ狩猟民族であった頃、隣り合わせの危険をいち早く察知するために進化してきた結果だといわれており、だからこそ人間は、「知らないことを常に教えてくれる」スマートフォンに依存するのです。

参考:スマホの魔力が脳をハックする。『スマホ脳』著者が語る、スマホ依存の正体 – BUSINESS INSIDER

そして、勉強もまた「知らないことを知る」連続ですが、それでも知的好奇心を「嫌い」が打ちまかしてしまうのは、ひとえに「勉強をすべきだ」と強制する誤ったアプローチを周囲がし続けているからです。

したがって、私たち家庭教師はこの誤ったアプローチを改め、さまざまな観点から子供の知的好奇心を喚起し、「勉強は楽しい」と伝え続けなければいけません。これが高いレベルでできるようになれば、学歴に左右されない、どこのサービス、保護者さま、生徒さまからも求められる人気講師になれるでしょう。

幸いなことに、今はYouTubeなどに実験動画など、「知的好奇心を掻き立てる」ようなコンテンツが豊富に存在します。使えるものは何でも使い、楽しいレッスンを提供できる家庭教師を目指しましょう!

信頼してもらえる人間性

家庭教師にとって学歴よりも大切なこととして、「信頼してもらえる人間性」があげられます。どれだけ学歴や指導力が高かったとしても、人間性に難がある講師は絶対に選ばれません。

そして、この「人間性」は、生徒さま、保護者さま、2つの観点で解釈する必要があります。どちらもキーワードは「安心」ですが、与えるべき安心感が異なるので、順番に解説していきます。

生徒さま:「二人三脚」で進んでいく安心を与えよう

まず生徒さまに対しては、「二人三脚」で進んでいく安心感を与えましょう。勉強が苦手な子供の多くは、勉強ができないことに対する劣等感を持っています。実際にレッスンをしていても、答えを見せること、話すことに抵抗感を抱いており、間違えるとネガティブな反応を見せることもしばしば。

しかし、勉強は「分からないことを分かるようになる」ためにするものですし、私たち家庭教師は「分からないことを教える」ために存在しています。したがって、

  • 知らないこと
  • 分からないこと
  • 間違えること

以上のような、子供が今まで「悪いこと」だと思ってきたことを、「良いことなんだ」と伝え続けなければいけません。

しかし、一度抱いた劣等感を手放すことは難しく、時間もかかります。また、子供が「知らないことを知らない」「分からないことを分からない」と素直に言えるようになるには、強い信頼感を講師に対して抱かなければいけません。

だからこそ、私たち家庭教師は「間違えても大丈夫だよ」といった安心を感じさせるような、二人三脚の意識を持って子供に接することが大切です。

保護者さま:常に誠実に対応しよう

一方で、保護者さまに対して与えるべき安心感は、「この人になら子供を預けても問題ない」というシンプルなものです。大切な子供に危害やストレスを与える可能性のある講師だと思われてしまうと絶対に選ばれないので、家庭教師として欠かせない要素だともいえます。

そして、保護者さまに安心感を与えられるような講師になるには、誠実さが何よりも大切です。授業の後の報告を怠らず、指導方針を明確にし、出来ることは出来る、出来ないことは出来ないと伝える。

このような「当たり前のこと」を出来ている講師は、意外と多くありません。家庭教師は子供ではなく、親が選ぶ家庭がほとんどなので、保護者さまに対する対応を磨けば、学歴に左右されない魅力的な講師に近づけるでしょう。

学歴は変えられない。自分を磨いて家庭教師として活躍しよう

家庭教師にとって学歴は「あったら役立つもの」であることは事実ですが、今から変えられるものではありません。変えられないものを気にするよりも、変えられるものにフォーカスする方が合理的です。

そして、その「変えられるもの」の中でも、最も重要なのは以下の3つです。

  • 勉強が苦手な子に分かりやすく教える力
  • 勉強が嫌いな子に楽しく教える力
  • 信頼してもらえる人間性

これを徹底的に磨いていけば、学歴問わず誰でも人気の家庭教師になれるので、学歴を必要以上に気にする必要はありません。

また、この他にも「家庭教師に必要なもの」は山ほどあるので、これを知りたい方は以下の記事も参考にしてください。

https://www.oshieru.work/tutor-skill/

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