- iPadに文字を綺麗に書けない理由
- 文字を綺麗に書く便利アイテム
- 文字を綺麗に書くコツ
iPadはデジタル化やリモート化が進む現代において、必須のツールとなりつつあります。ノートパソコンのようなタスクがこなせる機能性と、スマートフォンのように手軽に使える利便性を持ち合わせていますが、同時にノートのように使える「文房具」としての役割もあり、手書きのデジタル化は今後普及していくでしょう。
一方で、iPadに文字を書こうとすると「字が汚くなる」ことに悩んでしまうもの。紙のノートやシャープペンシル、ボールペンと使用感が異なるため、どうしても書きたい字が書けない欠点があります。
この記事では、毎日iPadに文字を書いて授業を行なっているオンライン家庭教師が、iPadに文字を綺麗に書くために必要な情報をまとめています。
これからの時代に必要不可欠な「手書きのデジタル化」
昨今、身の回りのあらゆるもののデジタル化が急激に進んでいますが、「文房具」のデジタル化も例外ではありません。
紙のノートやシャープペンシル、ボールペンがデジタルデバイスに置き換わっていて、「手書きのデジタル化」は今後どんどん普及していくでしょう。
タブレットに文字を書く機会は急増している
では、実際のところ、iPadを含めたタブレット端末に文字を書く機会にはどのようなものがあるでしょうか?
最近増えているのが、商業施設での手書きのデジタル化です。身近なところでいうと、スマートフォンの契約やクレジットカード決済、保険の契約などがあげられますが、以前ならボールペンでスラスラと署名をしていたシチュエーションでも、今はタブレットとタッチペンを渡されることが増えています。
その時に、デジタル手書きに慣れていないと、書き慣れているはずの自分の名前ですら上手く書けずにショックを受けてしまうものです。
教育の場へのiPadの普及は止まらない
また、今後デジタル手書きが強く求められる分野が「教育」です。社会のデジタル化が進むにあたって、教育現場でも急激にデジタル化が進んでいます。
国もこの流れにしっかり乗れるよう、莫大な予算を注ぎ込む「GIGAスクール構想」を令和元年に立ち上げ、「1人1台端末」「高速大容量ネットワーク」の実現のために邁進していく方針を固めました。
そして、学校教育で外せないのが「ノートと鉛筆」です。先生の板書を書き写したり、問題を解くときの途中式を書いたり、はたまた配布プリントを貼り付けたり、さまざまなことがノートと鉛筆を通じて行われます。
GIGAスクール構想とは、このようなアナログな文房具でやっていたことが、どんどんデジタル化していくことを示しているので、デジタル手書き術の重要性は世代問わず高まっていくことが予想されます。
iPadに文字を綺麗に書けない理由
このように、iPadに文字を書く機会は今後ますます増えていきますが、どうしてiPadには文字を綺麗に書きにくいのでしょうか?
その理由には、以下の3つが存在します。
- 入力デバイスが適切ではないから
- 滑るから
- 紙と同じ使用感が得られないから
どれも字を綺麗に書くために非常に重要なので、順番に確認していきましょう。
1:使用デバイスが適切ではないから
タブレットの文字が汚くなりがちな背景には、「使用デバイスが適切ではない」という理由が隠れています。iPadを含めたタブレットは「タッチ操作」に対応していますが、実は文字を書くこととタッチ操作は同じものではありません。
タッチ操作は、あくまで画面上を軽く叩く「タップ操作」や、上下左右になぞる「スクロール操作」に対応しているだけで、細やかでスピーディーな字を書く操作とはまた別物です。
もちろん、iPadはタブレットの中でも高性能なので、ある程度字を書く操作にも対応はしています。しかし、後述のように、モデルごとにスペックや仕様が異なるので、
- iPad
- iPad mini
- iPad Air
- iPad Pro
この4機種の間で「書き心地」は大きく異なります。
また、iPad本体だけでなく、使用するペンでも書き心地が変わってくるので、文字を綺麗に書く上では「入力環境」を見直してみることが大切です。
2:滑るから
紙のノートは適度にザラザラしているためペン先が上手く引っかかってくれますが、iPadの画面は摩擦がほとんどないため、ツルツルと滑って字が汚くなってしまうものです。
美しい字を書くために大切なことに「直線を綺麗に書く」ことがあげられますが、ツルツルと滑って自分の思うように書けなくなると、線が波打ったり、いびつな曲線になったりと、全体のバランスが崩れてしまいます。
参考:字が汚い子どものための文字を練習する方法7つ アドバイスのコツも紹介 – ベネッセ
したがって、iPadに字を綺麗に書くためには、「適度なザラザラ」が必要です。ノートのようにガリガリと文字が書けるようになる便利アイテム「ペーパーライクフィルム」を次の章で詳しく解説しています。
3:紙と同じ使用感が得られないから
iPadに字を綺麗に書く上で盲点になりがちなのが「使用感」についてです。デジタル手書きに悩んでいる方の多くが、端末のスペックやペン先が滑ることに悩んでいますが、「タブレットに文字を書く感覚」も大切なこと。
そして、この感覚を言語化すると、以下の2点のようにまとめられます。
- ペン先が触れる画面表面と、実際に入力される画面内部に距離がある
- ペン先が触れてから実際に入力されるまでにラグがある
当然のことですが、紙のノートに鉛筆やボールペンで書く場合、ノートとペン先はゼロ距離で密着していますし、ラグが発生することもありません。だからこそ、自由自在に、自分の思うような文字が書けるのです。
したがって、iPadに文字を綺麗に書くためには「紙の使用感に近づける工夫」が大切になります。
- デジタル手書きの重要性は今後高まり続ける
- 全てのタブレットが「手書き」に対応できているわけではない
- 紙と同じ使用感で書けるように工夫することが大切
オンライン家庭教師が実践するiPad筆記術
ここからは、オンライン家庭教師が実践するiPad筆記術を解説していきます。
オンライン家庭教師はまだまだ認知度が低い働き方ですが、多くの先生は「タブレットを画面共有する」ことでオンラインレッスンを行っています。毎日数時間に渡りタブレットに文字を書き込んでいるので、デジタル手書きに最も慣れ親しんでいる職業といっても良いでしょう。
この経験の中で得られた、iPadに綺麗な文字を書くために必要なことを、
- iPad本体
- 便利アイテム
- おすすめアプリ
- コツ
この4つに分けて以下で解説していきます。
iPad本体
まずはiPad本体に関する情報から紹介していきますが、多くの方は「どのiPadも画面の大きさくらいしか変わらない」と思っているかもしれません。しかし、実際にはモデルによってスペックが異なり、「デジタル手書き」をする上でもスペックが関わってきます。
具体的に関わってくるのは、以下の2つです。
- フルラミネーションディスプレイ
- ProMotionテクノロジー
どちらも知っておきたい仕様なので、順番に解説していきます。
フルラミネーションディスプレイ
「フルラミ」とも呼ばれるこちらの仕様は、簡単にいえば「ペン先が触れる画面表面と、入力される画面内部の隙間をギリギリまで狭めたディスプレイ」を指します。
この技術により、ペン先で触れた場所と実際に入力された場所のズレが最小限に抑えられるので、より紙に近い書き心地を感じられるのが魅力です。
文章で説明されるよりも、実際に映像で確認した方が分かりやすいと思うので、以下にフルラミネーションディスプレイを搭載したiPad Air第3世代と、非搭載のiPad第8世代の違いを説明した動画を掲載します(8:45から視聴してください)。
ご覧になっていただければ分かると思いますが、フルラミネーションディスプレイの方が「ペン先に吸い付く」感じがあり、より直感的に入力ができていることが分かります。
文字を書いていても、この違いは「大きな違いではないものの、ジワジワと効いてくる」ので、紙に近い感覚で書きたいならフルラミネーションディスプレイ搭載のiPadを選んでみても良いでしょう。
なお、フルラミネーションディスプレイを搭載しているのは、iPad mini、iPad Air、iPad Proの各最新モデルです。唯一、iPadにだけは搭載されていません。
ProMotionテクノロジー
続いて紹介するiPad本体の仕様が「ProMotionテクノロジー」ですが、簡単にいえば「遅延がより少なく、滑らかに文字が書けるようになる」ための機能です。
iPadだけでなく、タブレットも、スマートフォンも、パソコンも、そしてテレビと、映像を映し出す電子機器全ては、実は1秒間に何度も画面を更新することによって、「動いている」ように見せています。超高速にコマ送りをすることで、動画化しているようなイメージです。
この「1秒間に画面を更新する頻度」のことをリフレッシュレート(単位:Hz)と呼びますが、通常のiPadの場合、1秒間に60回画面を更新するため、リフレッシュレートは60Hzです(多くのスマートフォンも60Hz)。
一方で、ProMotionテクノロジーを搭載するiPadは、このリフレッシュレートが2倍の120Hzとなっており、「2倍滑らかに表示できる」ことを意味します。
リフレッシュレートをよりわかりやすく説明した画像がこちらです。ここでは、30Hz、60Hz、120Hzのリフレッシュレートを取り上げていますが、数値が上がるにつれて、人の動きがより細やかに表現されていることがわかります。
つまり、120HzのProMotionテクノロジーを搭載したiPadでは、「ペン先の動きがよりスムーズに反映される」ことを意味するため、書き心地が大きく向上する、というわけです。
実際に動画で確認してみましょう。以下の動画では、ProMotionテクノロジーを搭載したiPad Pro11インチと、非搭載のiPad mini第5世代を比較しています(5:00からご覧ください)。
実際の動画がコチラ。ProMotionテクノロジー搭載のiPad Proと、搭載していないiPad mini第5世代の書き心地を検証しています(5:00から視聴してください)。
ご覧のように、ペン先の動きがよりスムーズに反映されていることがわかりますね。
したがって、iPadに文字を書いていて、なんとなく「感覚のズレ」を感じるなら、一度ProMotionディスプレイを搭載したモデルを家電量販店などで試してみるのも良いでしょう。
なお、ProMotionテクノロジーは、iPad Proに搭載されている機能です(他のiPadは60Hz)。違いが分かりにくいProとその他のモデルですが、リフレッシュレートの違いが明確な相違点としてあげられます。
便利アイテム・アプリ
続いて、文字を綺麗に書くための便利アイテムやアプリを紹介していきます。
持っておくだけで、使うだけで簡単に綺麗に書けるようになる可能性を秘めているので、要チェックの内容です。
ペンを握りやすくする「グリップ」を使う
まずは文字を入力する「ペン」ですが、iPadの場合、純正のApple Pencilを使っている方が多いと思います。スタイラスペンは好みや慣れも大きいので、基本的には「自分が気に入ったものを使うのが一番」です。どれを選んで良いのか迷ってしまったら、素直にApple Pencilをおすすめしますが。
スタイラスペンで重要なのが「握り」です。
こちらの画像はApple Pencil第2世代とボールペン(ジェットストリーム)の比較写真ですが、パッと見ただけでも太さが異なる点がわかります。また、ボールペンにはラバー製のグリップが必ずありますが、スタイラスペンにはありません。
したがって、「細くて持ちにくい」「滑りやすい」という特徴が違和感に繋がるので、スタイラスペン用のグリップを使用するなどして微調整を行うと握りやすくなります。
実際の商品がこちらです。ELECOMのこちらのApple Pencil第2世代用のグリップは、指にしっかりフィットするウェーブ形状となっており、装着するだけで非常に書きやすくなります。人気漫画家がSNSで取り上げて話題にもなりました。
他にも、スタイラスペンのグリップは多種多様なので、自分が使いやすくなるものを試してみましょう。
滑ると感じるなら「ペーパーライクフィルム」を使う
iPadに文字を書くと「ツルツルと滑る」ことが原因で、綺麗に書けないと感じている方も多いです。
そんな方には、フィルム表面を紙のようにザラザラとした質感に仕上げてある「ペーパーライクフィルム」をおすすめします。
こちらは電子機器の保護フィルム専門店「ベルモンド」のペーパーライクフィルムのラインナップですが、ご覧のように、
- ケント紙タイプ
- 上質紙タイプ
- ブルーライトカットタイプ
- 文字用しっかりタイプ
- 文字用さらさらタイプ
このように5つものバリエーションが用意されています。それだけ需要の高い商品ジャンルだということです。
そして、実際に使ってみると、商品によって本当に書き心地が異なるため、自分に合ったフィルムを見つけることがデジタル美文字への最短距離です。「さらさらと書きたい」「適度に引っかかる方が書きやすい」など好みがあると思うので、まずは自分が書きやすそうな質感を考えてみましょう。
おすすめアプリ
続いて、スムーズな手書き入力を手助けする「おすすめアプリ」を紹介していきます。
「アプリはどれを使っても変わらない」と考えている方もいるかもしれませんが、手書きアプリとはいわば、文房具における、
- ノート
- カラーペン
- ファイル
このようなもののこと。書いたものを残しておくのはもちろんのこと、アプリによってペンの色や太さは異なりますし、Apple Pencilの「筆圧感知機能」に対応したアプリなら、まるで本物の紙に書いているような書き心地が得られます。
また、画像データなど各種データを格納しておくファイルのような役割も果たすので、どのノートアプリを使うかで手書き体験は大きく変わってくるくらい、非常に大切です。
以下に、おすすめのアプリを紹介していきます。
純正メモ
シンプルにアプリを使いたいなら、iPadに元々インストールされている純正のメモアプリがおすすめです。搭載されている機能は以下の通り。
- 筆圧感知機能
- 直感的なUI
- 最低限の階層構造
どれもメモアプリにあって欲しい機能なので、最初から存在するアプリで完結している点はさすがのAppleだといえます。
こちらが実際のアプリ画面です。「あいうえお」とえんぴつ、ペンでそれぞれ3つずつ書いていますが、これはApple Pencilを使って筆圧を変えて書き込んでいます。ペンの方は若干線の太さが変わっていますが、それほど変化は感じられないかもしれませんね。
しかし、左側のえんぴつの方は、まるで本物のえんぴつで書いてあるような質感で筆圧が表現されていることがわかります。筆圧をこれだけ細かく表現できれば、字を綺麗に書くハードルも下がるので、多くの方におすすめできる手書きアプリです。
また、上記画像の上の方に、ペンの種類や色がまとめられた「パレット」のようなものがあるのがわかります。この中で使いたいペンや消しゴム、定規などの機能をサッと選んで使えるので、非常に直感的で使いやすいです。
また、フォルダを作成し、フォルダの中に別々のファイルを作成できる「2段階階層構造」なので、用途や目的によってファイルやノートを整理するのも容易です。
純正のはじめからインストールされているアプリでこれだけできてしまえば、多くの方にとっては満足だと思います。
OneNote
続いて、ワードやエクセルなど、Microsoft系のデジタルノートアプリ「OneNote」を紹介していきます。
- 罫線や方眼紙など簡単に変更可能
- UIがワードやエクセルと似ている
- 3段階階層構造で大量のノートを整理できる
基本的な機能はこのようになりますが、実際の画面を見ていきましょう。
走り書きで書いたものなので、文字や線の出来があまり良くない点は目をつぶって欲しいところですが、OneNoteに文字を書くとこのようになります。
純正のメモアプリを比較すると、画面上部にさまざまな機能が搭載されていることがわかりますが、どことなくワードやエクセルと構成が似ていますよね。
- ホーム
- 挿入
- 描画
- 表示
このようなカラムを選択し、機能を選んでいくのはMicrosoft系のソフトウェアに共通するUIです。
肝心の手書き部分については、ペンや色変更など、最低限の機能は一通り網羅している印象。
便利なポイントは、用紙のスタイルを気軽に変えられる点で、
このように、画面上部の「用紙のスタイル」をタップするだけで、罫線と方眼紙、それぞれ3種類ずつ選べます。罫線や方眼があるかないかで文字の綺麗さは段違いに変わってくるので、手軽に、自由に変えられるのは嬉しいポイント。
純正のメモアプリの場合は用紙を変えるのに手間がかかるので、この点はOneNoteに軍配です。
一方で、手書きアプリに多くの機能を求める方はそう多くないと思うので、純正メモアプリの方がスッキリしていて使いやすいと感じる方もいると思います。
GoodNotes5
最後にGoodNotes5という有料アプリを紹介していきます。2021年9月28日時点で、本アプリは980円の有料配信となっていますが、App Storeのレビューで「仕事効率化」ジャンルで堂々の1位を獲得するほどの人気ぶりを博しています。1.3万件のレビューで星4.7は恐るべし。
搭載している機能は以下の通りです。
- とにかくわかりやすいUI
- 手書き、テキスト、PDF内テキストの全文検索ができる
- 簡単な図形処理ができる
純正メモアプリやOneNoteは無料ですが、GoodNotes5は有料となっており、その分のクオリティはしっかり満たしてくれています。最大の魅力はわかりやすいUIです。
純正メモやOneNoteは慣れるまで何がどこにあるのかが直感的にわかりにくいですが、GoodNotes5はパッと見るだけでそれが把握できるでので、「使いやすさ」という点では群を抜いています。
また、手書き、テキストに関わらず、アプリ内を全文検索にかけられるので、「何がどこにあるのか」を一発で明らかにできる点も強み。簡単な画像編集もできるので、あらゆる点で利便性を追求した完成度の高いアプリです。
一方で、「文字を綺麗に書く」という点では他のアプリとの違いはあまり見当たらないので、どこまで機能性や利便性を重視するかで選ぶアプリも変わってきそうです。
コツ
iPadに綺麗な文字を書く上では、いくつかのコツを掴むと書きやすくなります。
iPadに文字を書いてきた3年程度の経験をもとにして、知っておくべきコツを解説していきます。
たくさん書いて慣れる
元も子もないかもしれませんが、「たくさん書いて慣れる」ことが綺麗な文字を書くことにつながります。
私たちはこれまでもたくさんの文字を書いてきましたが、その99%は紙のノートに書いたものであったはずです。そんな中、
- 画面の硬さ
- 摩擦
- ペンの太さ
このように、何もかもが違うiPadに文字を書き始めて、最初から上手くできるわけがありません。これまでの慣れが邪魔をしてしまうので、まっさらな状態から取り組むよりも時間がかかってしまうことでしょう。
したがって、時間があればどんどんiPadにスタイラスペンで文字を書き込んでいきましょう。
おすすめは日記を書くこと。純正メモアプリに日付ごとにファイルを作成し、1日の終わりに今日の出来事や感じたことをつらつらと書いていけば、1カ月もあれば思い通りの文字が書けるようになると思います。
書きやすい「文字の大きさ」を決める
iPadに文字を書く時には、普通の紙のノートのように「罫線が固定」されているわけではなく、自分で自由に改変できます。罫線の幅を決めても良いですし、画面をズーム、縮小して調整することで、自分の好みの縮尺、つまり「文字の大きさを変えられる」というわけです。
以下は、OneNoteで画面をズーム、縮小した時の画像になります。
こちらは最大までズームした時。罫線の幅がかなりゆったりとしていて、じっくり文字を書くことができる一方、大きすぎて書きにくいと感じてしまう方もいるでしょう。
そしてこちらは標準的な縮尺へと縮小した時の画像。これくらいの感じが一番書きやすいと感じる方が多いのではないでしょうか?
最後にこちらが最小まで縮小した時の画像です。非常に細く、細々とした感じがしますが、学生時代にこれくらいのノートを使っていた方もいるかもしれません。
このように、iPadは罫線の幅や画面のズーム割合を変更して、文字の大きさを自在に変えられます。自分が書きやすい罫線の幅や縮尺を見つけてみましょう。
気分が乗るセットを決める
iPadに綺麗に文字を書くためには、気分が乗るセットを決めておくのも大切です。
- 使用アプリ
- ペンの種類
- ペンの太さ
- ペンの色
- 用紙のスタイル
これらのものを自分が好きなものに変更し、それをあらかじめ設定しておくことで、手書きをするハードルがグッと下がります。
ちなみに、手書き歴3年の筆者の基本セットは、以下の通りです。
使用アプリ | OneNote |
ペンの種類 | ボールペン(インクペン) |
ペンの太さ | 下から2番目 |
ペンの色 | 黒/赤/青/橙/緑 |
用紙のスタイル | 大きい罫線 |
OneNoteを使っている理由は、3段階の階層構造を採用しているから。オンライン家庭教師という仕事柄、生徒ごとにノートを作成し、さらにその中に科目ごとに整理したいので、2段階の階層構造だと不十分です。
また、ペンはオーソドックスにボールペンタイプで、ペンの色は黒を基本とした5色を使い分けています。用紙は最大の大きさの罫線で、ゆったりと丁寧に書くことを意識しています。
「なぞり書き」で美文字を磨く
コツ、というよりは練習方法ですが、iPadでなぞり書きをすると綺麗な字を書くスキルを向上させられます。今まで自己流で字を書いてきた方にとっては、書き順も含めて学び直せるので、効果を実感できる練習方法です。
なぞり書きの方法には、2つの方法が存在します。
- アプリを使う
- 画像を使う
アプリを使う方法では、なぞり書き用のiPadアプリがおすすめです。数は多くありませんが、
このようなアプリが存在します。ひらがな、カタカナ、アルファベットの練習ができるので、デジタル筆記に慣れながら、美しい文字の書き方を学びたい方におすすめのやり方。
一方で、画像を使うなぞり書きは、インターネットで無料配布されているなぞり書きシートをノートアプリにアップロードして、そこにペンを入れていく方法です。
こちらは、「ペン字インストール」というWebサイトの「ひらがなのバランス感覚が身につく【美文字なぞり書きシート】 – 大人用」ですが、本来はボールペン用のなぞり書き練習シートです。
しかし、これをノートアプリを活用してiPad上でも使えるので、このような練習方法があることを覚えておきましょう。
「習うより慣れろ」も大切
以上のように、なぞり書き練習は「字を丁寧に、綺麗に書く」ために必要なものであり、ひらがなやカタカタの練習がメインになります。一方で、iPadで文字を綺麗に書きたい方の多くは、「文字そのものを綺麗に書きたい」というよりは、「iPadで文字を綺麗に書きたい」と考えているはずです。
したがって、日記やメモにひらがなだけでなく漢字やアルファベットなど、さまざまな文字を書くことを通して「量をこなしてiPadでの手書きに慣れていく」ことが最も効率的かもしれません。
iPad筆記術を磨いてデジタル美文字を目指そう
iPadなどタブレットに文字を書く機会は、今後どんどん増えていきます。紙とは異なる書き心地なので、字が綺麗に書けないと悩む方も増えていくはずです。
iPadに綺麗な文字を書くためには、iPad本体、便利アイテム、アプリ、コツのポイントを押さえて、慣れていくことが大切。記事で紹介した内容をもとに、「デジタル美文字」が書けるように練習していきましょう。