- 指導可能科目が少ないと採用に響くことがある
- 「一科目OK」の登録センターを選ぼう
- 指導可能科目が少ない場合の学年別対策
塾講師や家庭教師は時給が高くやりがいがあり、社会的なスキルも豊富に学べるため、根強い人気のある仕事ですが、「指導科目」について悩んでしまう方も多いでしょう。
担当できる科目が少なかったり、少しマイナーな科目しか担当できなかったり、人によって科目に関する悩みはさまざま。この記事では、塾講師や家庭教師における「科目事情」を現役の講師が徹底的に解説していきます。
塾講師や家庭教師の「指導可能科目」の実情
塾講師や家庭教師の先生として働こうとした時に、まず頭に思い浮かぶのが「自分には何が教えられるだろうか」ということではないでしょうか?
そして、多くの方が「自分には〇〇しか教えられない気がする」と不安になってしまい、教育サービスを諦めてしまう方も多いはずです。
では、実際のところ、指導可能科目が少ないことでどのような影響が出るのでしょうか?
採用に響くこともある
指導できる科目数が少ない先生には残念なお知らせかもしれませんが、指導可能科目が少ないことで採用に響くことがあります。特に、「数学と英語の指導は必須」としているサービスが多いです。
塾や家庭教師を利用するお客さまの中で、特に需要が集まりやすい科目は「英語と数学(算数)」です。英語はこれからの時代、さまざまな場面で求められる「スキル」としての側面もあるため、多くの保護者が子どもに身に付けさせたいと考えています。
また、数学や算数は苦手が分かりやすい科目であり、なおかつ昔からの根強い理系人気もあって、需要が集まりやすい科目。
したがって、この需要が大きい二つの科目を指導できる先生に絞って採用を行うことは、サービスを円滑に運営していくにあたって合理的なので、やむを得ない側面もあります。
「狭く、深く」も大切なこと
しかし、このWebサイトを運営するオンライン家庭教師サービス「まなぶてらす」は、「狭く深く、一つの科目を教えられることも大切」だと考えています。
なぜなら、指導可能な科目が多い講師と同じくらい、一つの科目に深い知識を持っているエキスパート型の先生の存在は大きいことだからです。
エキスパート型の先生は塾で重宝される
学習塾の場合、先生の間でよくあるのが「この問題って何でこうなるの?」といった議論です。英語や数学、理科の難問に特に多いですが、この時に科目ごとのエキスパートがいると、一瞬で解決できてしまいます。
また、「この科目は〇〇先生だよね」と一度認知されると、同僚の講師から担当している生徒の授業を頼まれることもありますし、保護者から直接指名が入ることだってあります。
したがって、少数科目特化のエキスパート型の先生がいるだけで、塾全体が恩恵を受けられるのです。
家庭教師は専門的な指導が不可欠
また、家庭教師でもエキスパート型の先生は需要が一定数存在します。家庭教師は塾とは異なり「完全マンツーマン」の指導になるため、生徒ごとに、
- 指導方法
- 指導する深さ
- 使用テキスト
こういったものを学力や性格に応じて変化させていく必要があります。「広く、浅く」型の先生の場合、画一的な指導しかできませんが、エキスパート型の先生の場合はあらゆる角度から指導を行えますし、生徒に合わせて指導する深さを細かく調整できます。
また、テキストの知識も豊富なので、ひとりひとりの生徒に合ったマンツーマン指導が行いやすいです。
当然、授業の質は高くなるので、生徒の成績もグングン伸びていくでしょう。結果、口コミが広がり、どんどん人気が出ていく。このような形で、家庭教師としてエキスパート型の先生が活躍していくことは可能です。
「一科目OK」の登録センターを選ぼう
以上のように、狭く深く教えられる少数科目専門の先生は、特に家庭教師として活躍できる可能性が高いです。したがって、無理に指導できる科目数を増やすのではなく、少数科目を専門的に教えていく方針でも問題ありません。
一方で、採用段階で「英語と数学必須」としているサービスを選んでも意味がないので、科目数にこだわらない登録センター、サービスを選んでみましょう。
「まなぶてらす」は科目に一切こだわらない
参考までに、このWebサイトを運営しているオンライン家庭教師サービス「まなぶてらす」は、科目に一切こだわりません。科目数はもちろん、科目の種類も採用条件に一切入れていないので、
- 英語は教えられるけど数学は教えられない
- 英語も数学もダメだけど社会なら自信を持って教えられる
- 主要科目ではなくそろばんを教えたい
このような「他の学習塾、家庭教師センターで断られがち」な先生も、熱意と能力さえあれば積極的に採用しています。主要科目が指導できなくても、そろばんやピアノ、プログラミング、さらには書道など、「一つのことを指導できれば採用する教育サービス」は、業界内でも非常に珍しいはずです。
もちろん、指導科目だけでなく指導方法も一切縛りがありません。「まなぶてらす」のオンラインレッスンの自由度の高さを解説した、以下の記事も参考にしてみてください。
https://www.oshieru.work/manabuterasu-class/
- 指導できる科目が少ないと採用に影響する可能性がある
- 家庭教師は一つの科目を「狭く、深く」教えられることも大切
- 「一科目OK」の登録センターを選ぼう
指導科目が少ない場合の「小中高年代別」の対策
はじめに、「指導可能科目は少なくても問題ない」ことを解説しましたが、「やっぱり指導できる科目が少ないのは不安」と感じている先生もいるはずです。
そんな先生のために、ここでは指導できる科目が少ない先生に向けて、小学生、中学生、高校生の年代別の対策を解説していきます。
全年代共通の対策
はじめに、各年代に共通する、普遍的な科目対策について解説していきます。
採用テストは「文系、理系」で分けて対策する
多くの方が気になるのが採用面接時の筆記テストの科目だと思いますが、文系と理系で分けられていることが多いです。
- 文系:英語・国語・社会
- 理系:英語・数学・理科
基本的にはこのように分けられているので、採用対策で勉強をするなら該当する科目を重点的に復習しましょう。
「指導テキスト」を工夫する
また、指導に不安がある方は、「指定テキスト」を使用する教育サービスを選んでみるのも選択肢の1つです。自分で自由にテキストを選んで指導できるのは、授業の自由度が上がり指導しやすい反面、経験の浅い先生にとっては少しハードルが高いのも事実。
サービスによっては、「授業で使うテキストを指定している」場合があるので、こういった教育サービスを選ぶと、苦手科目の指導もしやすいはずです。
なぜなら、そもそも指定テキストは「誰がやっても同じ質の授業になるように」開発されたテキストなので、テキストに沿って、テキストに書いてあることを中心に教えれば、教育サービスとしては問題がないから。
また、テキストが指定されていなかったとしても、「苦手科目でも教えられるようなテキスト」を自分で吟味し、それを授業で使うことも効果的。
指導を重ねていくうちに、苦手科目の指導にも慣れていくので、駆け出しのうちは「テキスト」にこだわってみてください。
完璧を目指さない
塾や家庭教師の先生を目指している多くの方が、「自分では解けるけど教えられるほどの自信はない」と考えていると思います。特に多いのが、「文系だから数学の指導は自信がない」といった、自分の専門と異なる科目に関してです。
先生として働き始める前は誰でもこう考えてしまうものですが、実際に現場で働いてみると「習うより慣れろ」の考え方が最も大切であることに気がつきます。なぜなら、小中高の難関校の受験指導などの特殊なケースを除けば、科目に対して求められる専門的な知識はほとんどないからです。
もちろん、理科や社会などの科目は、背景にある知識があればあるほど指導がしやすく、面白い授業を提供できますが、数学と英語に関しては「決まった知識や解き方」さえ知っていれば、最低限の授業はできます。
誰でも最初は「最低限」からスタートし、経験を重ねるうちに、足りない知識や出題されやすい問題などを理解することで、先生としての力量を上げていくのです。
したがって、始めから完璧を目指す必要はないですし、完璧であることは求められません。「この科目は苦手だから指導できない」と、あまり神経質になり過ぎないようにしましょう。
https://www.oshieru.work/tutor-skill/
中学生の対策
ここからは、年代別の科目対策を解説していきます。はじめに中学生の科目事情から確認していきましょう。なぜ小学生ではなく中学生が最初なのかといえば、中学生が最も指導しやすいからです。
実は、教育サービスを利用する中学生の多くは、定期テストや公立受験高の対策のために塾に来ているので、指導難易度はそれほど高くありません。高校受験の時の知識をそのまま活かせるため、指導のしやすさはダントツです。
したがって、教育サービスの先生を始めたいと考えているなら、まずは中学生を指導対象とすることをおすすめします。
数学
中学生の需要が最も集まる科目は「数学」です。小学生の時代から、「勉強といえば算数」というイメージが根強く、保護者からも「まず数学をどうにかしたい」といった声が多く聞こえてきます。
また、一度分からなくなるとドミノ式に「分からないの連鎖」が広がるのも数学で、苦手意識を持っている中学生が極めて多いです。
このように、中学生における数学という科目は、保護者、生徒、双方から需要が集まりやすい科目だからこそ、指導出来るようになって損はない「コスパの良い科目」だといえます。
中学数学の勉強方法
おすすめの中学数学の勉強方法は非常にシンプルで、「お住まいの都道府県の公立高校の入試問題を解く」ことです。これには2つ理由があります。
まず1つ目の理由が、公立高校の入試問題は、勉強が苦手な子から難関校を狙う子まで、全ての中学生を対象にしているので、平易な問題から難しい問題まで、幅広く散りばめられているからです。
数年分の問題を解くだけで、中学数学の復習や狙われやすい問題や知識などを総ざらいできますし、お住まいの都道府県の問題の傾向も読み取れるので、メリットが多数あります。
そして2つ目の理由が、採用に関してです。塾によっては、公立高校の入試問題を採用時の試験にしていることがあり、採用の対策にもなります。実際、筆者が大学生時代に受けた学習塾の面接では、昨年度の高校入試の問題をそのまま解かされました。
都道府県ごとの入試問題、解答が無料で閲覧できる「ReseMom」のような優れたWebサイトもあるので、早速力試しをしてみてはいかがでしょう?
英語
数学に続いて、英語も中学生の需要が集まりやすい科目になります。保護者の多くは、「英語は出来てた方が将来役に立ちそう」と考えているためか、数学とセットで英語の授業を希望するパターンが非常に多いです。
また、中学生目線でみると、「日本人なのになんで英語を勉強するの?」という素朴な疑問を抱いている子が多く、数が多い英単語や難解な英文法に付いていけず、数学と同様に「分からないの連鎖」が生じやすいです。
中学英語の勉強法
そんな中学英語の勉強法ですが、そもそも英語は大学入試で文系、理系問わず使う科目なので、自身の受験の時にしっかり勉強しているはず。したがって、採用のために勉強をする必要がない方が大半なので、英語の勉強に割く時間は他の科目やスキルの習得に充てるべきだといえます。
それでも不安な場合は、数学と同様に高校入試の問題を解いてみて、「中学英語ってこんな感じだったな」と振り返ってみると良いでしょう。また、高校英語まで学んでしまうと、「中学英語で教わる範囲」を忘れがちなので、この部分の確認もしておきましょう。
その他の科目
中学生の需要が集まりやすい科目は数学と英語ですが、その他の科目はどうなのでしょうか?
正確なデータがあるわけではありませんが、現役の講師目線で、以下の順番で需要があるように感じられます。
- 理科
- 国語
- 社会
あくまで主観なので参考程度に捉えていただきたいのですが、理科は生物、物理、化学、地学の4つの単元にさらに細分化され、この中でも計算が絡む物理と化学、つまり1分野でつまづく子が非常に多いです。
また、国語は全ての科目に通ずる読解力を養う科目なので、保護者からのニーズがあります。
一方で、社会は「覚えるだけ」と思われているからか(実際はそうではありません)、需要があるようには感じられません。もちろん、しっかり学べば社会の歴史、地理、公民はとても面白いですし、生きていく上で重要な科目ではありますが、「塾の先生に指導をお願いする」という観点で見ると、最も後回しにされやすいのかもしれません。
小学生の対策
続いて、中学生の次に需要がある小学生の科目事情を確認していきましょう。
中学生が教育サービスを利用する目的の大半は定期テストや公立受験の対策ですが、小学生の場合「中学受験」がメインになります。そして、中学受験は高校受験よりも難易度が高く、高い専門性を要求されるため、指導難易度は中学生よりも圧倒的に高いです。
したがって、塾や家庭教師など、教育サービスに初めて携わり、なおかつ自身が中学受験を経験していないなら、無難に中学生を指導対象に絞った方が良いでしょう。
中学生と同様に社会の需要が少ない
中学受験は英語を除いた4科目が受験科目だと思われがちですが、学校によっては社会を除いた3科目を受験科目としています。したがって、中学生と同様に社会の需要が相対的に低いと考えましょう。
一方で、算数と理科は学校の授業では決して習わない解き方、考え方を習熟する必要があるため、やはり「中学受験の経験の有無」が大きな鍵になります。
もちろん、国語の需要も一定数あるので、ご自身が中学受験の経験があるなら、思い切って中学受験特化の教育サービスで働いてみても良いでしょう。時給などの待遇も一般的な塾よりも高く、狙い目です。
高校生の対策
最後に紹介するのが高校生ですが、高校生の大半は予備校で大学受験の対策を行うため、塾や家庭教師の需要自体が小学生や中学生と比べて多くありません。
また、小学生、中学生と比べて科目数が大幅に増えるので、需要は大きく分散します。特に理科は生物、化学、物理、地学に、社会は日本史、世界史、地理、政治経済、倫理に分かれ、各科目ともに高い専門性が問われるので、「自分が受験で使用した科目」を指導可能科目とすることになるでしょう。
文系、理系ともに使われる「英語」が狙い目
高校生をターゲットに塾講師や家庭教師として働きたいなら、文系、理系ともに使われる「英語」が一番の狙い目です。大学入試における英語は、共通テスト、私立大学、国立大学、全てにおいて配点が高いため、力を入れて勉強したい学生が非常に多く、必ず需要があります。
また、小学生、中学生と同様に数学の需要も根強いですが、中でも、
- 数学I
- 数学A
- 数学II
- 数学B
この4つを専門的に指導できると、需要に応えられる人材として重宝されます。なぜなら、この4科目は理系だけでなく、「国公立文系」の受験科目に入っているからです。
文系の道を志す高校生の多くは、「理系科目が苦手」という固定観念を持っていますが、国立大学へ行きたいなら数学を避けて通ることはできません。したがって、「数学が苦手な高校生」を対象に指導できる能力を身につけ、高校数学の需要を取り込みましょう。
専門性を高めるか、幅を広げるかはアナタ次第!
この記事では、塾講師や家庭教師と指導科目というテーマを扱いました。各年代、学年で需要がある科目に特徴がありますが、一貫して見られるのは「算数・数学の需要が根強い」ということです。また、英語は中学生、高校生で非常にホットな科目なので、指導が出来ると大きな需要を取り込めます。
一方で、「この科目の指導なら誰にも負けない」といった、高い専門性を持ったスペシャリストを目指すのも良いでしょう。
専門性を高めるのか、それとも指導できる科目の幅を広げるのかは人それぞれなので、自分の理想の講師像、先生像をハッキリさせてみるのも大切です。
ちなみに、このWebサイトを運営しているオンライン家庭教師サービス「まなぶてらす」では、指導可能科目数に関わらず「魅力ある先生」を常に求めています。興味がある方は、コチラをクリックして完全在宅で家庭教師をスタートさせてみませんか?